2006/09/07

サイジングと数字の一人歩き

マレーシアからSametimeでチャットをもらいました。マレーシアはASEANのテクニカルサポートの中心なので、APによく問い合わせがきます。

彼(あったことないので実は性別を知らず、名前や会話だけでは推測が出来ないのですが、とりあえず「彼」ということにします) の質問は、以下のようなものでした。

マ:「1つのAIXサーバーで、6000人を accomodate 出来るって話をきいたんだけれど、本当?」

とりあえず、accomodate が、「登録」なのか「同時利用」なのかは気になりました。あと、どうやら「AIX1台=6000人」という公式が出回っていそうな雰囲気です。
まあ、ともあれ会話の流れもありますので、

私:「6000という特定の話はきいたことはないけれど、構成や利用形態によっては可能なケースもあると思うよ」

と、回答してみました。

すると、彼曰く
マ:「可能ってどういうこと?どこかにそんなドキュメントある?」

とのこと。なんか不安になってきました。不安な理由は、ドキュメントを見せたら、きっとそれだけで納得してしまって、「1台のAIXサーバー=6000ユーザー」という公式が出回ってしまうような気がしたからです。

developerWorksのテスト結果で、6000ユーザー以上のものがあるとは思ったのですが、そのまま教えるのも怖かったので、

私:「ドキュメントは何に使うの? この手のパフォーマンスデータは中身を熟知して慎重に扱わないと、ケースバイケースだから」

と、様子を見てみました。すると、

マ:「わかった。じゃあ、まずぼくが意味を理解して、それからちゃんとサポート先にはきちんと説明するから」

とのこと。

そこで、
  • 登録ユーザーと同時アクセスユーザーとでは、キャパシティの考え方が違う
  • 同じサーバー(CPU数、メモリ)でも、ディスク構成によって結果が大きく異なる。特に6000ユーザーだったら、パフォーマンスに十分なディスク本数が必要不可欠
  • 同じ1人のユーザーでも、使い方によってサーバーの負荷が全く違うから、あくまでユーザー数は1つの参考的な指標
  • だから、AIX1台で6000ユーザーは、可能な構成ケースもあるけれど、いつも可能だとは思わないでね
ということを説明しました。さて、彼はその後どういう風に説明したのかが気になるところではありますが。

かくいう私も、自分が担当でないサーバー製品のスケーラビリティがどんなものかは、目安の数字だけでも知りたくなってしまいますし、その数字が一人歩きしやすいというのも気持ち的にとてもよくわかります。難しいですね。

0 件のコメント: