2023/10/02

Domino技術者向け、IBM TechXchangeの見どころのご紹介

このたび、技術者の皆さんを対象に、以下の無料イベントが開催されます。このIBM TechXchangeは先月Las Vegasで大きく開催されたものの日本版のイベントですが、最新のテクノロジーやトレンド満載となっております。Notes/DominoがIBMを離れ数年がたちましたが、ここで紹介されるセッションが、Notes/Dominoが今後様々な形で活躍していくことに対して参考になると思い、Notes/Domino技術者の皆さん向けに、ご紹介させて頂こうと思います。

IBM TechXchange Conference Japan

日時:2023年10月31日 (火) -  2023年11月1日 (水)
会場:ベルサール東京日本橋
〒103-6005 東京都中央区日本橋2丁目7−1 B2・4F・5F 東京日本橋タワー

 申込: https://ibm.biz/techxchangejp
→Dominoな皆さんは私の仲間ですので、[本イベントをご案内したIBM社員名]のところに、私の名前「村上 雄介」 を是非入力して下さい。


ブレイクアウト・セッションよりDomino技術者が楽しめそうなものを、以下にご紹介します。

 1. AIOps トラック

 InstanaやTurbonomicという製品キーワードがついたセッションがあります。

最新のDominoサーバーは、New Relic との連携機能を持っていますが、Instanaも同じ APM (アプリケーション・パフォーマンス管理)ツールです。DominoとInstanaの連携は、notes.iniを使って簡単に出来るようになっています。最近ではオブザーバビリティなどのキーワードも出てきましたが、最新の監視技術にご興味があれば是非 Instana のセッションにお越し下さい。Domino連携ではないですが、Instana自身のハンズオンセッションもあるので、概要と価値を理解しやすいと思います。

ちなみに、Dominoとの連携の設定はこんなかんじです。試してみたい方、私が業務外ボランティアでお手伝いします。
Monitoring HCL Domino 

 また、Turbonomicという製品は、サーバーのリソース最適化を提案してくれるツールです。特にパブリッククラウドを利用する場合はクラウドコストという観点でも大きな効果を発揮します。

DominoサーバーのCPUやI/Oについては、昼間と夜間で利用が異なるし、リソースが最適なのかを判断するのはなかなか難しかったと思いますが、Turbonomic が運用にあわせて AI でリソースを推奨してくれるのは、参考になると思います。(私自身もDominoサーバー適用は見たことがないので、どう推奨が出るか興味があります)

2. Business Automation トラック 

 Dominoの皆さんは、"Process Mining" というソリューションをご存じでしょうか。
ワークフローのログをインプットとして、業務フローがどうなっているかをビジュアル化し、どこのフローに時間がかかっているか、などの分析を可能にするものです。

分析可能とするためには、ログファイルの中で必要とされる属性がいくつかありますが、それが満たされていればもちろんDominoのワークフローも分析が可能です。また、今後この手の分析ツールに対応していけるためにも、これからのワークフローアプリ開発では、こういたログ設計が求められて生きます。是非Dominoのアプリケーション開発者の方に、ログフォーマットを適切に設計して頂けるよう、この技術を理解して頂けるとよいと思います。

また、BAWとRPAの組み合わせは、エンジンこそ違いますが、ワークフローとRPAを組み合わせることで、業務の自動化が進んでいくヒントになると思いますし、ODMなどの意思決定支援と組み合わせることで、Dominoのアプリに新しい可能性が生まれるかもしれません。 Business Automationのトレンドは、Dominoの技術者にもお勧めです。 

3. Application Runtime & Integration トラック

Dominoの世界も最近は LEAP などが出てきて、これまで以上にAPIベースの他システム連携が増えてきていると思いますが、Integration 系の製品、例えばIBM製品でいうと API Connectや ACE などの製品と連携することで、よりコントロールされた形で安全にAPI を外部公開出来たり、もしくは、異なるインタフェースを持つシステムとの連携が出来るようになったりします。最近はACEなどの連携基盤を設けることも増えてきたので、連携対象システムのインタフェース要件にDomino側が引きずられることなく、連携も出来るようになってきています。

また最新Integrationセッションで紹介される StepZen は GraphQL API の生成を可能にしますが、GraphQL のパワーは、IBM Watson Workspaceを当時触っていた皆さんなら理解頂けると思います。Domino REST API と組み合わせることで、より幅広い連携も可能になりそうです。

4. Security トラック

古くから Dominoといえばセキュリティでしたし、古くは TAM / ISAM といったWeb認証関連ではいろいろな設計考慮点があって、技術者活躍の場でもありました。
今回のセッションで直接的にDominoに関係あるかは、ちょっと判断出来ないですが、昔から国内外で CISSPを目指すDomino技術者は多く、セキュリティ知識のアップデートによいと思いますし、やはり最新のトレンドから学ぶことで視野が広がると思います。 

5. IBM Cloudトラック

 もちろん、IBM CloudのIaaS上やコンテナ上でDominoは稼働するわけですが、Cloudの最新トレンドの理解、さらには、コンテナの設計という意味では、技術者の皆さんに参考になると思います。Dominoも一応 OpenShift 上で動作するとも言っていますが、実際はどうなんでしょうかね。

6. Watson & watsonx.ai トラック

 一昔前から、Dominoの掲示板などでカテゴライズされた自然言語を教師データとして、watsonx Assistantでの自動分類を行いチャットボットを作成する、などの試みはされてきましたが、最近は大規模言語モデル(LLM)の流行りもあり、Domino上のアプリで行われる自然言語コラボレーションにも、ここらへんのAPIを使うことで、新しいソリューションの可能性が生まれてくると思います。是非今後のヒントとして頂ければと思います。

7. Data Science & Data Ops トラック

 直接的にDominoとは関係しないかもしれませんが、データカタログの考え方など、最新のデータ系の運用管理トレンドのキャッチアップは、DB担当者としては抑えておくとよいかと思います。ハンズオンもあるらしいので、よかったら体験してみて下さい。


この他、技術者として量子コンピュータについて知る機会であったり、IBM Champion について学んだり交流出来る機会としても貴重です。
最近では、買収が進んだ Apptio に関するFinOpsについても注目が高まっており、IT環境の最適化に関する話も業界トレンドとして面白いかもしれません。

ざーっと見どころを書きましたが、Dominoは特殊技術も大きく、油断すると技術者として視点が狭くなってしまいがちで、私自身技術者として過去の反省があります。
今回、無料で2日間、様々な技術に触れる機会でもあるので、もしお時間が許されるなら遊びにいらして下さい。午後だけなど限定的な参加であっても、結構です。

この他、上記に思いを記載しましたが、詳細を会話してみたい、などがありましたら、Domino技術者上がりの私が、業務外としてボランティアでご相談に乗りますので、お声をかけて下さい。