2006/08/29

IT技術者の健康

いろいろな諸事情により、私は個人的に「IT技術者の健康」というものにも非常に興味があります。自分が経験したことを考えると、Dominoよりこちらのほうが社会的責任があるのではないかと思っているくらいです。(もちろん、Dominoに関してもこれまで通りマイペースで何か書くつもりです。)
本当はここでそのような話をしようかと思ったのですが、ブログを分けたほうがいいというアドバイスを頂いたので、別途作ってみました。こちらで健康の話をするのは最初で最後ですが、一応リンクを貼っておきます。

IT技術者の健康徒然

専門家ではありませんが、何らか社会の役に立てれば嬉しいです。

2006/08/27

数学は役に立たないか

夏休みに、藤原先生の「世にも美しい数学入門」という本を読みました。
内容は、博士の愛した数式の小川さんとの対談形式で、一般人が興味をひきやすいような読みやすいものでよかったです。
で、中で気になったのは、「数学は人類の役に立たない」というお話。

そういえば、自分も高校生の頃、数学の中でどうしても理解出来ない部分があって、自分の当時の家庭教師の先生に「XXXなんてなかったらよかったんですよ」と言ってみたら、「でもXXXがなかったら、今の生活の中でなかったものや出来ないことがあったかもよ」とあっさり言われたのを思い出しました。

さらにいろいろ考えてみると、先日読んだ「暗号技術入門」の本で解説されていたPKIの解説では、思いっきり現代数学が関係していたな・・・、と。昔、離散数学を勉強したときは、こんなもの何の役に立つかと思ったけれど、こういった暗号数学がなければ、インターネットでお買い物も出来ないのだなあと、ふと思いました。
きっと、フェルマーやポアンカレの証明なんかは、今のところ直接現代社会の役に立たないのかもしれないですが、ふと、人が言うほど不要なわけでもないよな・・・と思い返してみました。

Notes/Domino技術者として、この部分に興味があったら、やはり「ネットワークセキュリティ」を読むべきなのでしょうね。なんといっても、Notesのセキュリティを設計した、当時Irisのチャーリー・カウフマンが著者で、Notesのセキュリティについても短く触れてあります。
この本の存在は、かなり前に知って購入済みでもあるのですが、難しそうで開く気になれず眠ったままになっています。読まなければなあ。

2006/08/04

技術者と英語について

技術者に必要なもの

上記記事を読んだり、開設したばかりの「ShortCuts」を試してみたことにインスパイアされたので、私が思っている英語についてを書いてみます。
個人的に現在一番気になっているのは、「日本」と「英語を母国語としない国」の英語力の差です。

去年の冬、1ヶ月ほどボストンで仕事をする機会に恵まれました。日本人は私だけでしたが、身近には、数名のアメリカ人に加え、フランス、アイルランド、インド、ブラジル、ドイツから来た技術者たちがおり、非常に多国籍な環境でした。アメリカとアイルランド以外は、みな、non-native です。
当然かもしれませんが、母国語ではないにしろ、全員かなり流暢に英語を使っていました。発音は厳しいものがありましたが、「英語を使いこなす」という能力においては十分で、きっとTOEICを受けたら文法問題を間違えない限り、Listeningは満点、Readingも470点くらいはとるでしょう。彼らが選ばれた戦士なのかは不明ですが、私はTOEIC965なんて保有していませんから、諸外国との能力差は感じたわけです。

こういった個人的な問題は、私1人が努力すればよい話ですが、むしろ気になったのはこれからの話。
フランスやドイツの技術者と話をしてみたところ、彼らの国では、英語の技術文書を当たり前のように読むと言っていました。この文の主語は、「IBM社員」ではなく、あらゆる技術者(つまり、身近にいえば、パートナー様や、各企業の情報システム担当者様)なのだそうです。もちろん、日本にだって当たり前のように英語を読む方もたくさんいると思うのですが(特に、ブロガー近辺)、基本的に日本語で閉じている自分たちにとって、彼らとのこの時の会話はやや衝撃的でした。
そういえば、以前台湾に言ったときも、彼ら同士、会話は中国語でしたが、お客様への提出資料は英語で作成していました。メールも英語でした。中国語入力が大変だから英語を使う、と言っていたのを思い出します。(英語はそんなに上手でなかったですが)


もちろん、日本は、翻訳されたもの、独自に書かれたものを含め、英語以外の言語での技術情報は極めて豊富な国だと思います。それでも、英語の情報には数ではとてもかないません。(ニーズからいえば、作成者側の努力がまだまだ必要とされる)
そんな中、諸外国の技術者たちが、普通に英語で情報収集していたら、「日本語だけ読む日本人」とはどんどん差が出てしまうのではないか、という危惧をその時に思いました。

現在インターネットを通じて加速する国際的な情報交流ですが、日本は物理的な線でこそ海外とつながったものの、言語的な問題から島国になっていると思います。私個人も、島国ハンデが出ないように、いろいろと努力してるつもりではあるのですが、それでも情報の流通にギャップを感じることがあります。


ということで、1人でも多くの日本人が、日本語情報にあわせて英語情報も読むようになると、私としてはとても嬉しいです。私の所属や業界に関わらず、全てのジャンルにおいてそう思います。取り残される日本にはなって欲しくないです。フランスやドイツに負けたくないです。
最近では、むしろ、私たちは日本語+英語の両方の情報が入手出来るのだから、英語さえきちんと出来れば、アメリカ人よりよほどよい環境だと思います。トラブルで困っているときなんか、英語情報は心強い味方になることも多いですよ。