2006/08/04

技術者と英語について

技術者に必要なもの

上記記事を読んだり、開設したばかりの「ShortCuts」を試してみたことにインスパイアされたので、私が思っている英語についてを書いてみます。
個人的に現在一番気になっているのは、「日本」と「英語を母国語としない国」の英語力の差です。

去年の冬、1ヶ月ほどボストンで仕事をする機会に恵まれました。日本人は私だけでしたが、身近には、数名のアメリカ人に加え、フランス、アイルランド、インド、ブラジル、ドイツから来た技術者たちがおり、非常に多国籍な環境でした。アメリカとアイルランド以外は、みな、non-native です。
当然かもしれませんが、母国語ではないにしろ、全員かなり流暢に英語を使っていました。発音は厳しいものがありましたが、「英語を使いこなす」という能力においては十分で、きっとTOEICを受けたら文法問題を間違えない限り、Listeningは満点、Readingも470点くらいはとるでしょう。彼らが選ばれた戦士なのかは不明ですが、私はTOEIC965なんて保有していませんから、諸外国との能力差は感じたわけです。

こういった個人的な問題は、私1人が努力すればよい話ですが、むしろ気になったのはこれからの話。
フランスやドイツの技術者と話をしてみたところ、彼らの国では、英語の技術文書を当たり前のように読むと言っていました。この文の主語は、「IBM社員」ではなく、あらゆる技術者(つまり、身近にいえば、パートナー様や、各企業の情報システム担当者様)なのだそうです。もちろん、日本にだって当たり前のように英語を読む方もたくさんいると思うのですが(特に、ブロガー近辺)、基本的に日本語で閉じている自分たちにとって、彼らとのこの時の会話はやや衝撃的でした。
そういえば、以前台湾に言ったときも、彼ら同士、会話は中国語でしたが、お客様への提出資料は英語で作成していました。メールも英語でした。中国語入力が大変だから英語を使う、と言っていたのを思い出します。(英語はそんなに上手でなかったですが)


もちろん、日本は、翻訳されたもの、独自に書かれたものを含め、英語以外の言語での技術情報は極めて豊富な国だと思います。それでも、英語の情報には数ではとてもかないません。(ニーズからいえば、作成者側の努力がまだまだ必要とされる)
そんな中、諸外国の技術者たちが、普通に英語で情報収集していたら、「日本語だけ読む日本人」とはどんどん差が出てしまうのではないか、という危惧をその時に思いました。

現在インターネットを通じて加速する国際的な情報交流ですが、日本は物理的な線でこそ海外とつながったものの、言語的な問題から島国になっていると思います。私個人も、島国ハンデが出ないように、いろいろと努力してるつもりではあるのですが、それでも情報の流通にギャップを感じることがあります。


ということで、1人でも多くの日本人が、日本語情報にあわせて英語情報も読むようになると、私としてはとても嬉しいです。私の所属や業界に関わらず、全てのジャンルにおいてそう思います。取り残される日本にはなって欲しくないです。フランスやドイツに負けたくないです。
最近では、むしろ、私たちは日本語+英語の両方の情報が入手出来るのだから、英語さえきちんと出来れば、アメリカ人よりよほどよい環境だと思います。トラブルで困っているときなんか、英語情報は心強い味方になることも多いですよ。

4 件のコメント:

NDOMINO-S さんのコメント...

ご主張はもっともですが、だからと言って日本IBMのWebサイトがなんでもかんでも英語サイトにリンクつなげている状況にも、苦い思いをしています。
「国際化の時代に英語はあたりまえだ」というのも真実ですが、「人は水の低きところに流れる」のもまた真実ですので・・・・・。
(要するに積極的に日本語情報を翻訳してWebサイトに載せているMSの方に技術者が流れて行くっちゃうぞ!ということです。)

Notes/Dominoの技術者の若手養成/技術者数の増大/レベル底上げのために日本IBMはもっともっと日本語での技術情報を掲載すべきかと思います。

Yusuke Murakami さんのコメント...

ndomino-sさん>
はい、それもおっしゃる通りだと思います。

私が言いたかったのは、日本IBMの言い訳ではなく(まあ私は子会社なので、そもそも立場が多少違うのですが)、少しでも日本を国際的競争力のある国にしたい、というそれだけの理由なので、そこはご理解いただければと思います。上記記事も一応、Dominoカテゴリに限定したつもりはなかったのです。

(あと、会社のルールに従って所属、本名は公開していますが、所属とは無関係で記述させて頂いており、そこも暗黙のルールとしてご理解していただければと思います。全ては少しでも社会の役に立ちたいという思いでやっておりますので)

NDOMINO-S さんのコメント...

村上さんが素性を明かしたうえであくまでも「個人」という立場で書いているということはよくわかっています。(口調が強すぎましたか?申し訳ありませんでした。)

Notes/Domino従事者の少人数化・高齢化がどんどん進行しているようですので、そこの部分の心配から出たコメントです。

・「英語わかりません」と問題解決あきらめる「技術者」
・「英語はあたりまえだ」と日本語の技術情報提供しないベンダー側

どちらもどっちなんですがNotes/Dominoの場合、人数減と世代交代の失敗による技術レベルのダウンが今後の危機的状況を招きかねないのではないかと私は一番思っているんですよね。(まあ現役のNotes/Domino従事者はみんな同じ見解だと思いますけど・・・・。)

Yusuke Murakami さんのコメント...

NDOMINO-Sさん>
見事なサマリーをありがとうございます。私も賛成です。

若い技術者の方々を育てていきたいという思いは、皆さん持っていると思います。私も、いろいろな形で、貢献が出来るように意識してみますね。