2019/12/08

HCL Factory Tour 4 in TOKYOに参加してきました

先日 12/4(水) に開催された、HCL Factory Tour 4 in TOKYOに参加してきました。
開発総責任者のRichard Jefts氏から始まり、よく名前を見かける開発リードの方々や製品担当の方々がまとめて来日されて、丸一日のイベントとなりました。
今後の技術方針、また、当日発表のDomino V11, Sametime V11, Connections 6.5 の内容説明などが行われましたが、次々に出てくる新しい話とワクワク感に、以前Lotusphereに参加して、Irisの優秀な技術者からの未来ある話に会場一体となって興奮したことを思い出しました。

以下手元のメモから、気づいたところを紹介します。(内容に誤りを含む可能性がありますので、正確なところはHCL社発表の資料などをご確認下さい)

全体として:
- 日本は最も大きい市場の1つであると認識されていて、日本からの要望も積極的に聞いている。
- Domino, Connections, Sametime については、(市場がスピードを受け入れられるなら)毎年メジャーリリースを出す。既に次のリリースの検討も始まっている。
-Marketing Buzzの重要性を理解している。アナリストやプレスとの会話も力を入れていきたい。彼らの来日においても、日本でのアナリストとの会話を予定している。USやヨーロッパでも行っているが、そのフィードバックは非常によい。
- クラウドに関しては、(今のSCNotes/Connections Cloudの話はあるが)、「part of our strategy」と認識している。
- 今は、技術負債と向き合っているところであり、V10で手を入れ、V11では新機能を多く投入、V12では更なる可能性を見せたい。

技術方針:
 - クラウド・ネイティブの重要性。特にコンテナ技術(Docker)はデプロイの方法を変えた。1台のサーバー、メモリ共有空間の中でのプロセス通信から、個々の機能を各コンテナ上で動かし疎結合させていく。
- イベント駆動アーキテクチャ(Event Driven Architecture)。プロセスがバラバラになるということは、プロセス間通信をどのようにするかを考える必要があり、それがイベント駆動アーキテクチャ。
- 「Augment(増加)」「Collaborate」「Speed」がキー。
- Docker上のマイクロサービスとして動かすなど。
- Event Driven は、HCL社だけではなく、Google, Microsoft, RedHat, Adobeなども目指す方向である。
- 例えば Domino, Connections, Digital Experience(Portal)で検索を透過的に出来るような世界が出来る。今、各製品はアーキテクチャがバラバラでサイロ化されている。
- 将来的には "Cloud Native Platform" としてコンテナ管理アーキテクチャがあり、イベント・ゲートウェイや API ゲートウェイを通じて通信が出来るようになる。(プロセス間通信がRESTから変わる)
-  アーキテクチャが変わっていくことで、オートスケールや、ゼロ・インストールといったものも、実現出来るようにしたい。
- 相互互換性のためのオープン技術、イベントデータの共通フォーマットとして、2019年10月24日に、CloudEvents の 1.0 が発表された。Domino V11では、このCloudEvents を既に実装している。(拍手)
- 例えば、Dominoの会議室予約機能をより拡張し、IoTセンサーと連携し、iPadで動く Event Driven Architecture / Cloud Native Moduleを意識して、今の部屋の状況を確認するプロジェクトをやってみた。このプロジェクトは、マニラのDominoを全く知らない5人の若手技術者にやらせてみたが、1カ月程度で完成してしまった。
- Project Keep というものの紹介として、Visual Studio Code から Dominoの設計要素に直接アクセスするデモがありました。(拍手)
- LotusScript を動的に JavaScriptに変換し(ただしOS依存などもあるため網羅性90%くらいで) フォーム上で動いていたコードがJavaScriptとなりコンテナ上で動くような未来が考えられる。
- Designerをよくしたい、という思いを持っている一方で、標準IDEを自由に使った開発というのも重要視している。

Notes/Domino関連:
- Domino Volt ⇒ローコードでアプリ開発が可能。開発速度のアップ。
- iPad用のNomadに加え、iPhone, Android, ChromeOSで動くものが年末くらいに登場予定。
- Domino Event Publisherというものが出来て、文書作成などのDominoイベントにあわせて、イベントが外部発行される。それを、外部のMQ(RabbitMQなど)⇒CloudEvents⇒外部ランタイム(Node.js/Node-RED)などというフローでアプリケーション連携させることが出来る。
- SametimeとサードパーティのWeb会議の統合。セキュアチャットを実現する。
- Verseオンプレミスはどんどん進化する。iNotesが使われていることはわかっているが、是非Verseを使って欲しい。
- DAOS Tier-2ストレージをリリースするが、まだバックアップなどを含めいろいろとやるべきことがあると考えている。
- パフォーマンス監視について Panopta とパートナーシップ

- シンクライアント・ストラテジーとして、Nomad, Verse, Sametime を対象に四半期ごとにアップデートを提供していく。
- 今後は Web Assembly の技術を使って WebブラウザからNotesクライアント風で動くものを提供していく。(2020年)(拍手)
-  VerseにもPWA技術を展開する。1.0.10からの予定。


 Connections関連:

- Connectionsでも製品改善のための Product Ideas Lab でアイディア募集しているので、是非参加して欲しい。
- Connections 6.5 はサイドバー、タッチポイント、外部ユーザーの招待、アクティビティプラス(Kudos Suite)が目玉。
- カスタマイズ、またElasticSearchというキーワードも使われていました。
詳細は、以下の動画デモなどがわかりやすいと思います。日本のイベントではこのデモは公開されませんでした。

Digital Experience関連:
- 現在21セットの様々な違った技術を使ったAPIセットがあるが、GraphQLやOpen REST APIで今後は考えていきたい。
- API は Node.js ベースの Loopback の利用を考えていきたい。
- 構築を早く。コンテナ技術の利用により、これまで2週間程度かかっていた構築も 2分30秒で完了。
- Continuous Delivery として、毎月のコンテナアップデート。
- WASベースとした構成も今後5年間はサポートされるが、コンテナベースにすると、ノーインストール、自動アップデートなど幸せになれる。ハイブリッド構成も可能で、ここ5年間は両者に相互互換性を持たせる。

Sametime関連:
- HCL社になってSametimeはチームを再編成。チーム規模は3倍となり、大きな投資が受けれる。
- これまでのSametimeは非常に複雑であったが、それをシンプルなものにする。
- これまで Notesクライアントに組み込まれる Sametime はバージョンがいつも遅れていたが、これからは同じリリースを提供する。
- インストールモジュールは、10GB から 100MB になり、非常に簡単。
- Webチャットには React の技術を使い、最新技術も活用している。
- MS Teams や Slack が出来るチャンネルだが、Connectionsのコミュニティとシームレスに組み合わせることで、より効果的にコミュニケーションが出来る。
- オープンソース jitsi技術との統合、など。


私の手元の資料を、当日の理解により記載しましたが、参考程度に読んで頂き、私が当日感じたワクワク感を少しでも共有出来れば嬉しいです。

こちらのイベントの詳細は、写真付きでHCL Masterの中野さんが報告されていますので、そちらもあわせてご参照下さい。
HCL Factory Tour 4 in Tokyo に参加しました

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